中国茶的日々

2005年に上海田子坊で中国茶の店『臻茶林』を始める。北京南鑼鼓巷、浙江省烏鎮、江蘇省天目湖に支店。

六、四国遍路の旅(12)パンツ事件

お題「今日の出来事」 中田という駅で寝た時のことだった。 待合室に荷物を置き、銭湯に行った。 小さな風呂で、僕と地元のおじさんと二人しかいなかった。 身体を流していると、高校生が7〜8人どやどやとパンツをはいたまま入って来た。 この風呂は二階の…

私が中国茶のお店を開いたいきさつ

六、四国遍路の旅(11)別れ

朝6時半起床。 むこうずねが張って痛い。 7時出発。 おヒゲさん、僕、メガネさんの順で歩く。 20キロの行程、途中一度だけしか休まなかった。 道中おばあちゃんから「ウチのそばやったらスイカでも切るんやけど」と言われる。 そのお気持ちいただきます…

六、四国遍路の旅(10)柳水庵

こんな山奥、てっきり無住の庵と思い込んでいただけに本当にびっくりした。 庵の濡れ縁にお邪魔してお茶をいただく。 熱いお茶、凍てつくほど冷たい和菓子、なんと心憎いもてなしであろうか。 千利休の伝えた侘び寂びをこの山中で体験しようとは・・・ 本当…

六、四国遍路の旅(9)苦しいときは声を出す

この旅でいつもハッとすることがある。 それは出会った方々の人に対する心遣いが隅々まで行き届いていることだ。 「お接待」 耳慣れない言葉ではあったが、この言葉の意味を行く先々で思い知らされた。 この日偶然おヒゲさんとメガネさんと一緒に宿し、翌日…

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幼稚園の始業の鐘が鳴ってしばらくして、拓也は意気揚々と教室に戻ってきた。 「拓也君、何してたの?」 拓也は得意になって先生を遊具保管場所へ案内した。 休み時間、仲間と積み木遊びをしていた拓也は始業準備の鐘を合図にみんなで片付け始めた。子供の頭…

六、四国遍路の旅(8)お坊さんと

翌日、午後三時くらいには後片付けも終わった。 おばちゃんたちとも今日が最後である。 昼休みにはやっと気が抜けたのか、おばちゃんたちのカラオケ大会が始まった。 お鉢が廻ってきては大変と、そそくさと退散した。 夜は、僕の他に若いお坊さんが二人泊ま…

六、四国遍路の旅(7)四国

一番霊山寺。 お遍路さんは白い上下を来て杖と傘を持つ。 僕は買えないのでTシャツに大きなリュック。 何しろ人が多いので、すぐに出る。 三番の金泉寺でお参りしていると、一人の遍路の女性が近づいてきて、「お接待です。お昼にうどんでも食べてください。…

六、四国遍路の旅(5)高野山 その一

ケーブルを降りて、まっすぐ奥の院に向かう。 参道入り口に立ち、一礼して入る。 参道は広くて、道沿いにぎっしりとお墓がある。 墓石には日本史に名を留める人たちの名が刻まれていた。 他には誰もいない。 背中の荷物のきしむ音と虫の声しか聞こえない。 …

六、四国遍路の旅(4)車中

あの山奥に鉄道を敷設した南海電鉄に改めて敬服した。 山奥の奥の奥の・・・そのまた奥の高野山。 電車がギシギシきしみながら、曲がりくねった道を登って逝く。 いくつものトンネル、トンネルを抜けると、数十メートルの谷に橋が架かっていて、その橋の終点…

六、四国遍路の旅(3)名古屋

名古屋駅について、残りのお金できしめんを食べた。 おまわりさん、住宅街はどちらでしょうか? 名古屋の駅を出たが、どこへ行けばいいのかわからない。 駅前は、地方都市とは思えないような太い道と、ビルや商店しかない。 ここで仕事をしないと、先へ進め…

六、四国遍路の旅(2)小田原

小田原の海は大しけである。 怖くないのか、子供たちは大波と戯れている。 いい天気だ。 右には伊豆半島、左には湘南海岸が見える。 前は水平線、その向こうも水平線。 ずーっと向こうにはアメリカがあるか。 海は昨日までの雨のせいか濁っている。 ここはい…

六、四国遍路の旅(1)東京

寮を出て三日目。 出発のときから降り続いている雨は一向にあがる気配はない。 二日間、30キロの荷を背負い都内をうろつき回ったが、まだ勝手がつかめない。 荷物はだんだん重くなり、気持ちも沈んで行く。 出がけにいただいたたくさんのおにぎりも底をつい…

ふすまキャラバン

中国に来て14年。 身一つで転がり込み、文字通りゼロからのスタート。 こちらに来てから家を成し、事業を成し、今がある。 少なからぬ人から、中国人は信用できないとか、騙されたとか、そんな話を聞く。 ただ、私の場合は人を信じることによってこれまでき…

スマホがないと成り立たない中国

今週から小学一年生の宿題の一部がスマホのアプリになった。 英語の単語や単文の発音練習、アプリを開いてサインインし、スマホの発音を聞いて自分も発音する。それは録音され、先生もチェックできるというシステムらしい。 今の中国では、スマホがないと子…

抗生物質は毒でもある(かも)

私は医者でも科学者でもない、ただの生活者である。 なので何の医学的根拠も科学的裏付けもないが、あえて経験的推測でものを語る。 先日、子供の手が爛れて、皮膚科に行った。 手足口病ではないかと思ったから。 足や口は異常はなかったが、指先が爛れてじ…

story2 ハーブティー

「いくぞー」 父は竜平にボールを投げた。 「あっ!」 竜平が取り損ねたボールが花壇の中に消えた。 「へたくそー!」 そういいながら父は花壇に向かい、竜平と一緒にボールを探し始めた。 「父さんがコントロール悪いからじゃない!」 天気のいい日曜日、家…

「こんばんは」って何よ?

先日、家族を連れて大雪青少年交流の家に4泊した。 北海道の大自然を堪能させたいという気持ち、 規律正しい生活の中で自分のことは自分でやる生活習慣になじませたいという気持ち、 他の日本の子供たちと交流させたいという思いからである。 朝6時半起床…

日本へのお茶の発送

ZHENCHALIN 様 はじめまして。 メールにて失礼致します。 私、日本からご連絡させていただいております〇〇と申します。 さっそくではございますが、お茶のお取り寄せをお願いしたいと 思っておるのですが、通販はしていらしゃいますでしょうか? というのも…

シェアリング時代

時代は急速にシェアリングに向かっている実感。 今回宿泊先を決めるのに利用したairbnbも、基本は自宅の空き部屋を提供して旅行先の他人の空き部屋を利用するシステム。ルームシェアの世界規模ネット版ともいえる。 uberは空いている車と時間を使って客をの…

挨拶って?

挨拶。 自分ができているとは言わないが、 挨拶のできない人を見ると残念に思う。 先日、年に2〜3回ご注文をいただく日本の会社からの注文でお茶を準備しているとき、 ちょうど新茶が出始めた頃だったので荷物の隙間に手紙を添えておすそ分けさせていただ…

鼻みず考

ヘーックショイ! 花粉症の(症状の)季節が来た。 私が上海に来た当初はくしゃみ鼻水が発症せず、中国に花粉症はない!と豪語していたものですが、 ここ数年は春になるとまた出るようになった。 私が北海道にいる頃にはなかったこの症状、 東京に出て数年後…

本物と偽物

日本では考えられないが中国では常に気になる。 目の前に売られているものが本物か、偽物か。 偽物は買いたくない。本物を買うためにはどうしたらいいか。 信頼できる人に紹介してもらうくらいがせいぜいできることですが、 それも一過性のものに過ぎず、 つ…

日本は茶道、中国は茶芸

中国に茶道はない。 最近中国茶道という使い方をする人もいるが、それは日本に茶道があるから中国にもあるだろうと思う人、あるいは日本にあるんだから中国にもなければならないと思う人、かな。 道と芸、どう違うのか。 日本には柔道剣道華道茶道、道だらけ…

茶语花香

テスト4 | mixiみんなの日記 mixiからはてなブックマークへ? 2015/03/02 10:12 mixiからはてなブックマークへ? - koryan2001 のコメント / はてなブックマーク

2012年末所感

あの頃は絆という言葉が流行っていましたね。 昔の記事を回顧していたらこんなのが出てきた。 ゆがみてふたのあはぬはんびつ とっくに捨て去ればいいものだがただ捨てるのももったいなく、何か工夫の仕様で使い道がないか頭ひねって考えて、思いを十分にかけ…

上海お寺参り事情

今日は旧暦の正月5日、中国では財神の誕生日ということで、 社長も庶民も今年一年のご利益(文字通り!)祈願にお寺参りに行く方が多いです。 昨夜は前夜祭(イヴですね)で、財神を迎える爆竹がまるで地鳴りのように上海中に響いていました。 で、 私も今…

香港で中国人客ボイコットが起こった件について

香港のデパートなどでマナーの悪い中国からの客にもの申すという運動があったようだ。 諸外国からいろいろメディアに取り上げられ、中国のメディアでさえ中国人のマナーの悪さを話題にしている。 今日店でお茶飲みながら、中国人の家内や先日日本旅行してき…

新年快楽!

田子坊から、新年のご挨拶をさせていただきます。 店もちょっとにぎやかに飾り付けました。 今年もよろしくお願いいたします。

story1

「お母さんただいま。はい、これ、おみやげ。」 「なあに?」 「人参ウーロン茶。とっても不思議な味、今まで飲んだことのないようなお茶よ。」 和美はそう言って母にクラフト紙に包まれた小さなお茶を手渡した。 「へえ・・・」 恵子は早速急須を取り出し、…