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中国茶的日々

2005年に上海田子坊で中国茶の店『臻茶林』を始める。北京南鑼鼓巷、浙江省烏鎮、江蘇省天目湖に支店。

ふすまキャラバン

中国に来て14年。

身一つで転がり込み、文字通りゼロからのスタート。

こちらに来てから家を成し、事業を成し、今がある。

 

少なからぬ人から、中国人は信用できないとか、騙されたとか、そんな話を聞く。

ただ、私の場合は人を信じることによってこれまできたように思う。

小さい頃祖父が言っていた、「騙すよりは騙される方がいい」という言葉が今も心に染み付いている。

 

事業を進める方針も、 いかに相手から有利な条件を引き出し利益を上げるか、ということよりも、 いわゆる『三方良し』、お客様も喜び、スタッフも喜び、それが社会にとっても有益であるという前提で歩んできていると思う。

 

なぜだろう、私の周りには信頼できる人しか縁が続かない。

腹に一物あるような人は近づいて来ないか、きても自ずと離れてしまう。

恐らく、 人というのは臭いがあって、 同じような臭いのするところに引き寄せられる習性があるのではないか。

 

私が東京に住んでいる頃、 早稲田大学ホームサービスグループに所属していた。

そこで私はふすまの張り替えなど内装の仕事で学費や生活費をみんなで稼ぎ、 堀越先生の薫陶のもとで学生生活を送った。

 

打算を捨てろ

 

よく先生がおっしゃっていた。

今の世の中、「夢を持て」とか「目的に向かって計画的に行動しろ」という言葉にうなづく人が多いが、私はあえて言う、「夢や目的なんて捨ててしまえ!」

 

目の前の課題に全力で取り組みなさい。道は自ずと開ける。

 

今しなければならないことを真剣にやっていれば必ずそれが次のステップを導いてくれる。

どんな難題も、乗り越えたあとにはそれは自分の大きな力になっている。

だから、夢や目的が定まらないというのは決してかっこうわるいことじゃない。

逆に、課題を解決してゆくうちに自ずと夢や目的は生まれてくるものだ。

 

グループ時代に『ふすまキャラバン』という企画があった。

ふすま張りの道具と多少の材料を担いでお金を持たずに各自の目的地まで旅をする、という企画。

このふすまキャラバンが私の信念、堀越先生の『打算を捨てろ』という教えの象徴ともいえる。

 

メンバー数人の旅の記録を集め自費出版した、私にとっても唯一の出版物である。

いま、 現代の若者(日本人中国人問わず)に一つの生き様を伝えんと思い、完成された出版物を電子文字にして新たな命を与えたい。

同時に自分の若き頃を追想してみたくなった。

                              2016/4/8未明

 

早稲田ウィークリーの記事

http://www.waseda.jp/student/weekly/contents/2011a/1247/247e.html

 

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