軌道
人は機関車みたいだ。
最後まで燃料を焚き続けなければならない。
燃料は皆それぞれだ。
石炭であったり、ガソリンだったり、薪だったり、
夢だったり、恨みだったり、幸せな日々だったり。
燃料がなくなったときに、止まる。
だからなくなる前に燃料を補給し続けなければならない。
機関車はレールの上を走る。
レールも人それぞれ。
あらかじめ敷かれたレールを事故がないよう用心しながら走るもの、
いくつかの分岐点で迷いながら選択して走ってきたもの、
先が見えないほど長く続いているレール、
3mくらい先までしかないレール。
さしづめ自分は、
その都度目の前にレールを置きながらなんとか今まで走ってきた、
というところか。
学生時代は、研究所だ。
そこでいろんな機関車が作られる。
とにかく速いの、遅いけど馬力あるの、
遠くまで見通せるの、目の前しか見えないの、
なんかの拍子で後ろしか見えなくなっちゃったの、
地味なの、カラフルなの、
やたら目立つの、なんか知らないけど気になるの。
そんな奴らが卒業と同時に一斉に走り出す。
他人から見ると馬鹿に見えるかもしれない。
無駄に見えるかもしれない。
全く理解されないかもしれない。
でもそれがお前の燃料だ。
自信を持って焚き続けろ。
それをやめる時がお前の止まるときだ。