中国茶的日々

2005年に上海田子坊で中国茶の店『臻茶林』を始める。北京南鑼鼓巷、浙江省烏鎮、江蘇省天目湖に支店。

六、四国遍路の旅(7)四国

一番霊山寺。

お遍路さんは白い上下を来て杖と傘を持つ。

僕は買えないのでTシャツに大きなリュック。

何しろ人が多いので、すぐに出る。

 

三番の金泉寺でお参りしていると、一人の遍路の女性が近づいてきて、「お接待です。お昼にうどんでも食べてください。」と千円くださった。

びっくりして納経所へ行き住職さんにお話ししたら、そういうときは仏様におさめるお札をお渡しするのだそうだ。

お接待の意味を考えながら、しばらく庭の草取りをお手伝いさせていただいた。

 

四番五番と廻っているうちに雨が降ってきた。

雨宿りに駆け込んだのが、消防署の軒下だった。

バスで行った方がよさそうなのでしばらく待っていると、所の方が珈琲とお菓子を差し入れてくださった。

 

六番安楽寺で宿を借りる事にした。

大きな宿坊のあるお寺だ。

一昨日から風呂にも入らず固い床で寝ていたので、ここの大きな浴槽に浸かるとたちまち良い気分になった。

風呂で泳ぎながら都の西北など歌っていると、ご飯ですと呼ばれた。

 

翌朝、荷物をまとめて出発すべく玄関まで運んだ。

一泊三千八百円である。

全財産を調べてみると、三千七百七十円しかない。

南無三!

こういうときこそ笑顔を忘れてはいけない。

向こうから奥様がいらっしゃる。

 

「出発するんですか?実はうち明日お祭りがあるので、お手伝いしてもらうと助かるんやけど。」

 

やった!

一も二もなく承知して、また荷物を奥に運び込んだ。

 

安楽寺ではあらゆる仕事をした。

陽気な食事係のおばちゃんたちと準備や後片付け、庭で竹をとったり草をむしったり。

当日は何百人も泊まりにきて、目の回る忙しさだった。

広くない参道に出店がぎっしりと並び、奥で阿波踊りをしていた。

見物する余裕もなかった。

 

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