中国茶的日々

2005年に上海田子坊で中国茶の店『臻茶林』を始める。北京南鑼鼓巷、浙江省烏鎮、江蘇省天目湖に支店。

新型コロナウィルスで露呈した日本の高齢化

NHKオンデマンドで感染症専門家チームのドキュメンタリー番組を見ました。
 
 
現場の必死なお仕事ぶりには心より感謝いたします。
番組の中で押谷先生も「日本は中国や欧米諸国のように都市封鎖はできない。日本でできる最も有効な対策を考えなくてはならない。」前代未聞の作戦を短期間で立てなければならず、ご苦労は並大抵ではなかったでしょう。
 
「自治体や政府の指示を待っていたのでは手遅れになる」とおっしゃっていたのが印象に残りました。
国民一人一人が自覚を持って自分の行動を決めて欲しいということだと思います。
 
現場は与えられた環境の中でベスト、いえ120%も頑張っている。
ただ、患者が増えた際のベッドや人工呼吸器などの機材や医療人員の確保など、環境を整えていくのは政府の仕事です。
1月に日本で感染者が出て以来2月25日の押谷先生率いる専門家チーム発足までの期間、医療体制の整備を十分にしてきていたのかどうか、それはいずれ検証するべきだと思います。
政府内部でもインフルエンザと変わらない何をそんなに慌てているんだという見方をされる方もいらしゃいました。
 
思うんですが、バブルの崩壊以来リストラやりすぎたんじゃないでしょうか日本中で。
とにかく無駄を省く、赤字を潰す、贅肉を削ぎ落とす、
そうしてきた結果、日常がやっとギリギリでまわる世界、何か異常があったらたちまち立ち行かなくなる社会になってしまっていたのではないでしょうか。
人員が足りなくなるとわかっていてもどうにもならない(他国では休業のスチュワーデスさんをトレーニングして人員確保していたというニュースも見ましたが日本はしない、できない、政府がそんなこと言えない)、
マスクが足りなくなるとわかっていても製造拠点は外国にあるため思うように手に入らない、
機材も急にたくさん必要になることは誰も想定しておらずいざという時にしたくても急に必要な数量を増産する手立てがない。
 
中国武漢はとんでもないことになった。
毎日病院には行列ができ重症者のベッドも足りず廊下にまで患者が溢れ、
医療スタッフにも感染が広まり死者も出た。
日本のニュースも逐一報道していた。
そんなことが現実に起きていたのにどうして日本はすぐに万全の準備をしなかったのか?
いや、できなかったのだと思う。
 
国全体が高齢化して(人も社会も)、動脈硬化してちょっと激しい運動をするとぷちんと切れてしまう。
ちょっと転ぶと骨折しそれが致命傷になる。
そういう姿を今回の新型コロナウィルスが露呈させてくれたような気がします。
日本に帰ってきてからの重い閉塞感みたいなものの正体がわかりました。
 
とにかく私たちはマスクすら手に入らない場所で今ある使い捨てマスクを消毒しながら何度も使い、
いわゆる三密を避けて時をやりすごすしかありません。
自分や家族を感染から守るために、そしてそれが最大の社会貢献になる。
お金がなくなったら正直に手をあげて政府やご近所、家族親戚に助けを求める。
助け合うしかないです今は。