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中国茶的日々

2005年に上海田子坊で中国茶の店『臻茶林』を始める。北京南鑼鼓巷、浙江省烏鎮、江蘇省天目湖に支店。

六、四国遍路の旅(3)名古屋

名古屋駅について、残りのお金できしめんを食べた。

 

おまわりさん、住宅街はどちらでしょうか?

 

名古屋の駅を出たが、どこへ行けばいいのかわからない。

駅前は、地方都市とは思えないような太い道と、ビルや商店しかない。

ここで仕事をしないと、先へ進めない。

 

名古屋というと、僕には独特の先入観がある。

自分の数少ない体験で判断するのはおこがましいが、他所者を受けつけないというか、地元意識が強いような気がする。正直言って、名古屋で仕事がいただけるかどうか非常に不安だ。この偏見を払拭する出会いがあるといいが。

 

こんにちは!突然ですみません。実は・・・

 

「うち、もうすぐ壊すんです」「他あたってください」「今、忙しいの」「お盆だからねえ」

 

もうこれ以上やっても駄目だ。

気持ちが暗くなってしまう。

 

旅館みたいな建物があったので、最後に飛び込んだ。

奥様は、今から出かけられるところだった。

仕事はいただけそうもないが、障子の破れているのがあるそうなので、これも何かの縁だと思い、「障子紙だけ置いて行きます」と申し出た。

 

これから出かけますけど、すぐ帰りますから、直しておいてくださいますかしら?

 

この土壇場で仕事をさせていただけるとは!

窮すれば通ず。神様!

 

最初は補修だけの予定が、どんどん増えて、作業は夜9時までかかった。

 

「お昼どうぞ」「今晩寝るところは?」「泊まって行きなさい、晩ご飯用意しますから」「お風呂入って、朝はゆっくりおやすみなさい。お昼にお弁当作ってあげますから」

 

情けのこもった言葉が次々とかかる。

砂漠にオアシス、地獄に仏。

 

ご主人はお忙しそうで、帰るとまたすぐに出かけられた。

お話もできずに、ご挨拶だけさせていただいた。

夜に奥様が、ご主人からとパーカーのペンをくださった。

箱の中に名刺があり、「名古屋市議会議員」と書かれていた。

 

朝は少し早起きして、庭を掃いた。

ご主人の出かけられる前に、ご挨拶させていただいた。

「うちは子供がいないから」と、そればかりおっしゃる。

お礼の言いようもない。

お昼のお弁当をこしらえていただいて、バスで大阪ヘ行き、なんばから南海電鉄で高野山に登った。

 

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